ゼロから分かる「リスクアセスメント」

News Letter
PDFはこちら

2026年5月29日更新
株式会社東和コーポレーション

今回のニュースレターでは、職場の安全管理のために欠かせない「リスクアセスメント」について、作業現場の安全を支える手袋メーカ ーの視点も交えながら、分かりやすくシリーズで解説していきます。

日常の「危険予測」から紐解くリスクアセスメント

「リスクアセスメント」は、一言でいえば「現場に潜む『危ない芽』を事前に見つけ出し、それがどのくらい危険かを見極めて、対策の優先順位を決めるプロセス」のことです。「うっかり」や「運が悪かった」で片付けられがちな事故を、論理的な「見積もり」によって未然に防ごうという考え方ですね。

近年、「リスクアセスメント」が注目されているのは、人手不足や業務の高度化・多様化により、職場に潜む危険性がますます複雑になっているためです。事故を未然に防ぐための体系的な取り組みとして、リスクアセスメントの重要性が高まっています。

リスクアセスメントでは、職場に潜む危険性や有害性を特定し、その危険の大きさを評価したうえで、事故や健康障害を防ぐ対策を検討・実施していきます。リスクアセスメントという言葉だけ聞くと専門的で難しく感じるかもしれませんが、私たちが日常生活で行っている危険予測と似ています。

例えば、
・雨が降っていて、滑って怪我をするかもしれない
 →滑りやすい場所を避ける、歩幅を小さくする
・暗い道などは事件に巻き込まれるかもしれない
 →明るい道、人通りの多い道を選ぶ
・料理中、火が引火して火事になるかもしれない
 →火から目を離さない、コンロ周辺に布や紙類を置かない
これらはすべて危険を予測し、被害を防ぐための行動です。

実際の職場でも、例えば
・薬品を扱う作業で皮膚に付着し、炎症を起こす
・プレス機に手を挟み、怪我をする
・床の配線に躓き、転倒する
など、使用する薬品や機械、作業内容によって様々な危険や健康障害が起こる可能性があります。

こうした職場での危険を、一定の手順に沿って把握し、労働災害を未然に防ぐための必要な対策を考えることは、働くひとの多様化や作業内容の高度化・複雑化、これまでになかった新たな薬品類の使用開始などの側面から、これまで以上に重要になってきています。

リスクアセスメントからマネジメントへ:現場を守る「5つのSTEP」

ここであらためて、リスクアセスメントについての定義を見てみます。図で示したSTEP1〜3までの取り組みがリスクアセスメント、STEP4、5がリスクマネジメントと定義されています。たとえば、「雨が降っていて、滑って怪我をするかもしれないから、滑りやすい場所を避ける、歩幅を小さくしたほうがいい」ということがリスクアセスメントで、「実際に歩幅を小さくして歩いたか、その結果がどのようであったか」ということはリスクマネジメントといえます。つまりリスクアセスメントが適切に行われていないと、リスクマネジメントも適切に行われないということになります。

なぜ今、企業の必須課題に?背景にある「3つの社会情勢の変化」

そのような観点から、近年、リスクアセスメントが注目されています。その背景にはいくつかの理由があります。 ①法令による実施要請 労働安全衛生法第28条の2により、建設物、原材料、ガス、又は作業行動その他業務に起因する危険性又は有害性等を調査し、その結果に基づいて、必要な措置を講ずるよう努めることが求められています。 ②リスクの多様化・複雑化 技術の進歩により現場で扱う機械設備や化学物質等の種類が増えています。それに伴い、危険の種類も複雑化しています。そのため、単に決められた安全対策を守るだけでなく、自社の作業環境に合わせて危険を把握し、適切な対策を講じることが重要になっています。 ③労働災害の増加 労働災害による死亡者は減少傾向にあるものの、休業4日以上の死傷者数は近年増加傾向にあります。 このように、法的要請の高まりに加え、リスクの多様化・複雑化、さらには死傷者数の増加傾向といった社会情勢の変化を背景として、リスクアセスメントの重要性はこれまで以上に高まっています。 従業員を守るだけでなく、企業にとっても労働災害による損失、社会的信用の低下、事業停止リスクの回避につながります。従業員と企業の双方を守る経営基盤強化の取り組みとして今改めて注目されています。 作業現場では、手指の怪我や薬品による皮膚障害など、手を守ることが重要なリスクの一つです。株式会社東和コーポレーションでは、作業用手袋メーカーとして、作業現場の安全性向上に貢献する情報発信や製品開発を通じて、安全な作業環境づくりを支援して参ります。 今後も、現場の安全意識向上につながる情報提供を継続していく予定です。

株式会社東和コーポレーションについて

東和コーポレーションは作業用手袋の総合メーカーです。東和コーポレーションの作業用手袋は、世界中で農林水産業、各種製造業、運送業など様々な事業現場から家庭まで、幅広く「手」を使う仕事を支えています。これからも工場向け、農業・水産業向け、園芸向けなどの手袋をはじめとして、安全性の向上や、作業効率の向上を願い、お客様の困りごとを解決できるような良い製品を提供して参ります。

記事一覧へ